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手袋普及の歴史

手袋普及の歴史

 

我が国では、家庭用のゴム・ビニル手袋は、個人が真冬に使う防寒用は別として戦前にはほとんど使用されておらず、一部張りゴム的な特殊な手袋が見られるに過ぎませんでした。

これらの手袋が、本格的に生産開始されたのは昭和30年頃のことです。
当時、戦前からのゴム統制が解かれたことと、ラテックス製品の製造が割合簡単に出来たことから、一挙にゴム手袋の生産が盛んになりましたが、初めは農業用・漁業用等の作業用手袋が寒冷地の北海道や東北地区で爆発的な人気を博し、やがて家庭用へと移行していきました。

当初は手袋といえばゴム製が殆どでしたが、徐々にビニル製の手袋が使われ始め、現在では家庭用手袋の場合、ビニル製が60%弱、ゴム製30%強、ニトリルゴム(合成ゴム)製10%弱となっています。

この間、電気洗濯機の普及や洗剤の進歩、さらには瞬間湯沸かし器の出現など、人々の生活環境は大きく変わってきましたが、生活者の「安全と衛生」に対する関心は高く、別掲の安全衛生マーク(SGマーク)や作業用認定マークの普及もあり、今では家庭用、作業用ともにそれぞれ年間1億双(ペア)を超える市場となっています。

特に、2020年のコロナ禍によるユーザーの衛生面の意識向上含めて、一般用極薄手袋(医療用を除く)は、家庭内の炊事はもとより飲食業・清掃・介護等色々な場面での手袋装着が必須となり、急激に使用が拡大しております。

また、現代の手袋は、膜厚や手袋内部の加工によって、通気性や装着感を改善し、より快適に使用できるようになっており、エコロジカルに配慮したバイオマス由来の樹脂素材を使用した「エコ手袋」なども登場しており、手袋は日々進化を続けております。